(交通事故)保険会社との交渉で訴訟も辞さずに臨み示談で賠償金を増額できた事例

<横浜市の女性からの交通事故相談>

車対車の交通事故。傷害慰謝料と専業主婦の休業損害が争いになった事例。

当事務所の弁護士と保険会社との交渉で、弁護士の提案に保険会社が応じないことから訴訟を提起すると回答したところ、保険会社から弁護士の提案どおりの賠償金を支払うとの連絡があり、訴訟提起を取りやめた。

結果、保険会社の提示額より約200万円賠償額が増えた。

<交通事故発生時の状況>

 反対車線を走行していた加害者の車が中央ラインを超えて、依頼者が走行していた車線に侵入し、依頼者の車に正面衝突した。依頼者は全身打撲の傷害を負った。
 依頼者は事故当時、専業主婦であった。

<相談・依頼までの流れ>

 依頼者は、交通事故で受けたケガの治療を終えてから当事務所の弁護士に相談にいらした。幸い後遺障害は残らなかった。加害者側保険会社の提示額に納得がいかないとのことで、当事務所の弁護士に保険会社との交渉を依頼された。

<弁護士による交渉活動>

 当事務所の弁護士と保険会社との交渉で、保険会社は、傷害慰謝料について別表2を適用し、しかもその金額の60%だと主張した。
 また、休業損害については自賠責基準で1日あたり5700円、これに実通院日数(35日)を乗じた金額であるとの提案であった。

 それに対し、当事務所の弁護士が以下の5点を主張した。

(1)傷害慰謝料については、むち打ち症ではないので、別表1を適用すべきであること
(2)これに60%を乗じる明確な根拠がない旨を指摘し、根拠があるのであれば合理的な説明するよう要求した
(3)加害者による一方的な過失による事故であるから、むしろ依頼者への慰謝料を増額すべきであること
(4)休業損害については、専業主婦の場合には、平均賃金(年収約350万円:本件当時の女性労働者の平均賃金)を基礎として計算すべきであること
(5)賠償すべき休業期間についても実通院日数ではなく通院期間の9か月間を認めるべきであること

 保険会社は、これらの弁護士の要求に応じられないとの回答であった。
 即座に弁護士は、応じられないのであれば訴訟を提起すると回答し、訴状を作成して、証拠を取りそろえる等訴訟提起の準備を整えた。準備がほぼ終わったところで、保険会社から、「まだ訴訟は提起していないか」との確認と、「まだ提起していないのであれば弁護士の提案どおりの賠償額を支払う」との連絡があった。
 これを受けて、訴訟提起を直前で取りやめ、示談した。

<当事務所が関与した結果>

弁護士による交渉で、当初保険会社の提示額から、賠償額を200万円弱アップさせた。

<解決のポイント(所感)>

 本件の交通事故事件では、訴訟を提起すれば、賠償額を大幅に増額させることが明らかに可能であった。そのため、保険会社に早々に見切りを付けて交渉を打ち切り、訴訟を提起すると保険会社に通告したことが、結果的に、保険会社の譲歩を生んだ。
 保険会社としても、費用と時間をかけて訴訟をしても、結局弁護士の言い分が通る結果になると分かっていたことから、示談したと考えられる。

 今回の事例のように、明らかに賠償金が少ない場合には、保険会社との交渉で訴訟提起も辞さない態度で臨むと、示談の段階でも賠償金が増額されることが多い。

 交通事故の弁護士相談の詳細は、こちらの特設サイトをご覧ください。

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