遺言と遺留分

平成24年9月13日号掲載

Q
 父が亡くなり、父の遺言書には、遺産をすべて母と弟に相続させると書かれていました。父の遺産を一円ももらえないなんて納得できません。
 
A
 お父様の残した遺言が民法で定められた方式に従っていて、お父様が遺言を書いた当時に認知症だったなどという事情がないのであれば、遺言は有効ですので、遺言書の内容どおりに遺産は分配されます。
 ただし、子供は、遺留分として遺産のうち一定割合を取得できるので、お父様の遺産を一円ももらえないということにはなりません。遺族の生活を保護する必要があるからです。
 遺留分を有する相続人は、被相続人の配偶者、子、直系尊属(父母、祖父母など)です。
 まず、遺留分権利者全員分の遺留分を決めます。その割合は、直系尊属のみが相続人の場合は遺産の3分の1、それ以外の場合は遺産の2分の1です。この割合の遺産を、遺留分権利者が、それぞれの法定相続割合に従って分けます。
 相談者の場合、家族全員の遺留分(2分の1)×相談者の法定相続割合(4分の1)=8分の1の遺産を取得できます。
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